目次
ここでは、分詞の最も一般的な用法である、分詞の 形容詞的用法 について説明します。
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分詞の形容詞的用法の説明に入る前に、まずは分詞とはなにかを簡単に説明しましょう。
分詞は、動詞に-ingや-edをつけることによって、形容詞や副詞のように使うことができるものです。 分詞は大きく分けると、 現在分詞 と 過去分詞 の2種類があります。
分詞には現在分詞と過去分詞があることがわかりました。 次に、その分詞はどのように使われるのか、見ていきましょう。
現在分詞と過去分詞にはそれぞれ3つの用法があります。
この記事では、現在分詞と過去分詞の 形容詞的用法 に焦点を当てて解説します。
「形容詞的用法」を理解するには、まず形容詞を理解する必要があります。
ずばり形容詞は、名詞を修飾するものです。
形容詞の例
a red book
赤い本
a red book(赤い本)の red はその直後にあるbookを修飾しています。
このように、名詞を修飾するものを形容詞と呼びます。
英語には、修飾語は形容詞の他に副詞もあります。 これらはセットで覚えましょう。
形容詞的用法には、前から修飾(前置修飾)する場合と、後ろから修飾(後置修飾)する場合があります。 それぞれの場合について、見ていきましょう。
前から修飾
a singing girl
歌っている少女
このように、分詞が1語の場合は、名詞の前に置いて修飾します。
後ろから修飾
a girl singing over there
あそこで歌っている少女
分詞のカタマリが2語以上の場合、修飾語句の後ろに置きます。
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まずは現在分詞の形容詞的用法について、見ていきましょう。
さて、現在分詞ですが、先に説明したように、動詞にingをつけて作ることができます。
このように、現在分詞は基本的には動詞にingをつけるだけですが、例外もあります。
これらはすべて覚える必要はないですが、単純に-ingをつけるだけではない場合もあることだけは、抑えておきましょう。
関連記事: 現在分詞(ing形)とは?形容詞的用法から動名詞との違いも解説!
現在分詞の作り方がわかったところで、例文をいくつか見ていきましょう。
現在分詞(〜している)・前から修飾
I saw a running man.
走っている男性を見ました。
この文では、runningが現在分詞として使われていますね。 1語なので、前から直後のmanを修飾しています。
現在分詞(〜している)・後ろから修飾
I saw a man running over there.
あそこで走っている男性を見ました。
これも現在分詞ですが、分詞が2語以上の場合は、修飾語句の後ろに置くんでしたね。 running over thereという分詞のカタマリが、後ろからmanを修飾しています。
現在分詞(〜する性質を持つ)
I bought running shoes.
ランニングシューズを買いました。
このように、現在分詞は「〜する性質を持つ」という意味で使われることもあります。 今回の running shoes は、「走っている靴」でなく「走るための靴」という意味になっています。
現在分詞(ハイフンでつなげる場合)
I bought a pair of well-fitting shoes.
私はぴったり合った靴を買いました。
ここで、well-fittingは「ぴったり合った」という意味で使われています。 このように、2語以上の場合は後ろから修飾しますが、ハイフンでつなげる場合は1語として扱われるので、前から修飾します。
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次に、過去分詞の形容詞的用法について見ていきましょう。
過去分詞は、動詞にedをつけることで作ることができます。
ただし、過去分詞も現在分詞と同様に例外があります。
過去分詞(〜された)
He gave me a broken watch.
彼は私に壊れた時計をくれました。
ここでは、brokenが過去分詞として使われています。 1語なので、前から直後のwatchを修飾していますね。 「壊す」という意味のbreakの過去分詞なので、「壊れた」という意味になります。
過去分詞(〜された)
The letter sent yesterday arrived this morning.
昨日送られた手紙が今朝届きました。
こちらは、sent yesterdayが過去分詞のカタマリとして、直前のletterを修飾しています。 2語以上の場合は後ろから修飾するんでしたね。
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分詞では、感情動詞の扱いが重要になるので、ここについても解説していきます。
「◯◯という感情にさせる」というような意味を持つ動詞が感情動詞です。 例えば以下のようなものがあります。
これらは感情動詞とよばれ、どれも「◯◯という感情にさせる」という意味を持ちます。
感情動詞の使い方
The news surprised me.
そのニュースは私を驚かせた。
moveは感情動詞で、「感動させる」という意味を持ちます。 なので、movedはその過去形なので「感動させた」となり、文全体では「その映画は私を感動させた」という意味になります。
関連記事: 感情動詞の使い方とは?現在分詞と過去分詞の使い分けを解説!
感情動詞は分詞にして使われることが多いです。 まずは現在分詞の例文を見ていきましょう。
分詞を使った感情動詞(現在分詞)
an interesting book
興味深い本
interestは「興味を持たせる」という意味を持つ感情動詞でしたね。 それが現在分詞になって、名詞bookを修飾しています。 「興味をもたせるような本」→「興味深い本」というような意味になるわけです。
次に、過去分詞の例文を見ていきましょう。 現在分詞は「◯◯という感情をもたせるような」という意味でしたが、過去分詞は「◯◯という感情にさせられた」という意味になります。
分詞を使った感情動詞(過去分詞)
a satisfied customer
満足した顧客
satisfyは「満足させる」という意味を持つ感情動詞でしたね。 それが過去分詞になって、名詞customerを修飾しています。 感情動詞の過去分詞は「◯◯という感情にさせられた」という意味になるので、satisfiedは「満足させられた」という意味になります。 なので直訳は「満足させられた顧客」になります。 自然に訳すとしたら、「満足した顧客」となります。
感情動詞の現在分詞と過去分詞の使い分けについて理解していきましょう。 こちらの問題を見てみてください。
以下のどちらが正しいか考えてみてください。
The ------- news made me happy.
a. surprising
b. surprised
これを見分けるための簡単な方法は、説明される名詞がその感情を与えるものか、与えられるものか を考えることです。
例えば、1の問題は修飾される newsは驚かされるものでなく、驚かすもの なので、surprising が正解です。
The surprising news made me happy.
その驚くべきニュースが私を幸せにしました。
他の問題も見てみましょう。
The ------- boy dropped his book.
a. surprising
b. surprised
boyは驚かされるものなのか、驚かすものなのかを考えてみましょう。 「男の子」は誰かに驚かされる可能性も、誰かを驚かす可能性もありますが、 この文は「男の子は本を落とした」と言っているので、男の子が驚かされたと考えるのが自然ですね。
The surprised boy dropped his book.
その驚いた少年は本を落とした。
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最後に、分詞形容詞について見ていきましょう。
分詞形容詞 とは、分詞の形をした形容詞のことです。 これまでに学んできた、現在分詞や過去分詞を1語として名詞を修飾する形容詞のことを、特に分詞形容詞と呼んだりします。
関連記事: 分詞形容詞を徹底解説!
分詞形容詞の例をいくつか見てみましょう。
鈴木洋一朗 / Yoichiro Suzuki
大学では言語学(生成文法理論)を学び、学習塾や予備校で10年間英語教育に従事。その後、IT企業でマーケティング、プロダクト開発などを担当。2016年に当サイトを開設。