目次
分詞構文とは、分詞(動詞の-ing形や過去分詞)を使って、2つの文を1つにまとめる表現方法です。
例えば、以下の例文を見てみましょう。
分詞構文の基本的な例文
Walking to the park, I saw a beautiful bird.
公園へ歩いているとき、美しい鳥を見ました。
この例文では、文の前半部分が、文の後半部分を修飾しています。
I saw a beautiful bird.(私は美しい鳥を見た)が言いたいことで、それにWalking to the park(公園へ歩いているとき)が、補足説明として付け加えられています。
このように、分詞のカタマリが主節(言いたいこと)を修飾する形になっているのが分詞構文です。
それでは、分詞構文はどのように作られるのかを、見ていきましょう。
先ほどの例文で考えてみましょう。
まず、「公園へ歩いているとき、美しい鳥を見ました。」という文は、「公園へ歩いていた」と「美しい鳥を見ました。」という2つのカタマリに分けれられますね。
まずはそれぞれ英語にしてみましょう。
- I was walking to the park(公園へ歩いていた)
- I saw a beautiful bird.(私は美しい鳥を見ました)
このようになりますね。
この2つのカタマリが「とき」でつながっているので、接続詞Whenを使ってつなげることができます。
接続詞を使って1文に
When I was walking to the park, I saw a beautiful bird.
「公園へ歩いているとき、美しい鳥を見ました。」
これを分詞構文で表すと、以下のようになります。
分詞構文
Walking to the park, I saw a beautiful bird.
公園へ歩いているとき、美しい鳥を見ました。
このように、分詞構文を使うと、接続詞などを使わずに、2つの文を1つにまとめることができます。
接続詞を使って文から分詞構文に書き換える手順をまとめると、以下のようになります。
接続詞と主語を消して、動詞を分詞に変えるだけで、分詞構文に書き換えることができます。
もう1つ練習してみましょう。
問. 以下の日本語文を接続詞と分詞構文をそれぞれ使った英文に直しなさい。
「そのニュースに驚かされたとき、彼女は話せませんでした。」
まず、「(彼女が)そのニュースに驚かされた」と「彼女は話せませんでした。」という2つのカタマリに分けます。
それぞれ英語に訳すと以下のようになりますね。
- She was surprised by the news.(彼女はそのニュースに驚かされた)
- She couldn't speak.(彼女は話せませんでした)
この2文をまずは接続詞を使って1文にまとめると、このようになります。
接続詞を使って1文に
When she was surprised by the news, she couldn't speak.
「そのニュースに驚かされたとき、彼女は話せませんでした。」
そして、この英文を分詞構文にしていきましょう。
[接続詞を消す]
Whenshe was surprised by the news, she couldn't speak.
[主語が同じ場合は主語を消す]Whenshewas surprised by the news, she couldn't speak.
[動詞を分詞に変える]WhenshewasSurprised by the news, she couldn't speak.
このように、分詞構文の英文ができあがります。
分詞構文の例文
Surprised by the news, she couldn't speak.
そのニュースに驚かされたとき、彼女は話せませんでした。
ここでは、分詞構文の例文をいくつか見てみましょう。
分詞構文の例文1
Walking down the street, I met an old friend.
道を歩いていると、昔の友人に会いました。
この例文では、Walking down the street が分詞構文です。
walk down the street(道を歩く)という動詞が現在分詞 walking に変わっています。
walk は「歩く」、down は「~を下って」、the street は「その道」という意味です。
down は前置詞または副詞として使われ、ここでは「~に沿って」という前置詞の意味で使われています。
主節は I met an old friend(私は昔の友人に会いました)です。
met は meet(会う)の過去形、an old friend は「昔の友人」という意味です。
old は「古い」という意味の形容詞ですが、ここでは「昔の」という意味で使われています。
この文は、「道を歩いているときに、私は昔の友人に会いました」という意味になります。
接続詞の when や while が省略されていると考えることができます。
接続詞を使った場合
While I was walking down the street, I met an old friend.
分詞構文の例文2
Written in simple English, this book is easy to understand.
簡単な英語で書かれているので、この本は理解しやすいです。
この例文では、Written in simple English が分詞構文です。
write(書く)という動詞の過去分詞 written が使われています。
write は「書く」、in は「~で(手段)」、simple は「簡単な」、English は「英語」という意味です。
in simple English で「簡単な英語で」という意味になります。
主節は this book is easy to understand(この本は理解しやすい)です。
this は「この」、book は「本」、is は be 動詞、easy は「簡単な」、to understand は「理解することが」という意味です。
easy to understand で「理解しやすい」という意味になります。
この文は、「簡単な英語で書かれているので、この本は理解しやすいです」という意味になります。
接続詞の because や as が省略されていると考えることができます。
接続詞を使った場合
Because this book is written in simple English, it is easy to understand.
分詞構文の例文3
Having finished my homework, I went out to play.
宿題を終えたので、私は遊びに出かけました。
この例文では、Having finished my homework が分詞構文です。
完了形の分詞構文で、having + 過去分詞 の形になっています。
finish は「終える」、my は「私の」、homework は「宿題」という意味です。
主節は I went out to play(私は遊びに出かけました)です。
went out は go out(外出する)の過去形、to play は「遊ぶために」という意味です。
この文は、「宿題を終えたので、私は遊びに出かけました」という意味になります。
接続詞の after が省略されていると考えることができます。
接続詞を使った場合
After I had finished my homework, I went out to play.
分詞構文は、様々な意味を表すことができます。
ここでは、代表的な意味と、それぞれの意味を表す分詞構文を接続詞を使って書き換える方法を見ていきましょう。
「時」を表す分詞構文は、when, while, after, before などの接続詞を使って書き換えることができます。
時を表す分詞構文1
Walking in the park, I saw a beautiful rainbow.
公園を歩いていると、美しい虹が見えました。
この例文の分詞構文 Walking in the park は、「時」を表しています。
walk は「歩く」、in は「~の中で」、the park は「その公園」という意味です。
in the park で「公園の中で」という意味になります。
これを接続詞 when を使って書き換えると、次のようになります。
時を表す分詞構文1の書き換え
When I was walking in the park, I saw a beautiful rainbow.
私が公園を歩いているとき、美しい虹が見えました。
この文では、分詞構文の主語を補い、wasで時制を合わせて、When I was walking in the park という節に書き換えています。
分詞構文では省略されていた主語(I)と接続詞(When)を補い、動詞(was walking)を節の形に直しています。
was walking は walk の過去進行形で、「歩いていた」という意味です。
時を表す分詞構文2
Having finished dinner, we watched a movie.
夕食を終えた後、私たちは映画を見ました。
この例文の分詞構文 Having finished dinner も、「時」を表しています。
having finished は完了形の分詞構文で、「~し終えた」という意味です。
finish は「終える」、dinner は「夕食」という意味です。
これを接続詞 after を使って書き換えると、次のようになります。
時を表す分詞構文2の書き換え
After we had finished dinner, we watched a movie.
夕食を終えた後、私たちは映画を見ました。
この文では、分詞構文の主語を補い、had finished で時制を合わせて、After we had finished dinner という節に書き換えています。
分詞構文では省略されていた主語(we)と接続詞(After)を補い、動詞(had finished)を節の形に直しています。
had finished は過去完了形で、「終えてしまっていた」という意味です。
「理由」を表す分詞構文は、because, as, since などの接続詞を使って書き換えることができます。
理由を表す分詞構文1
Being tired, I went to bed early.
疲れていたので、私は早く寝ました。
この例文の分詞構文 Being tired は、「理由」を表しています。
being は be 動詞の現在分詞で、「~である」という意味です。
tired は「疲れた」という形容詞です。
これを接続詞 because を使って書き換えると、次のようになります。
理由を表す分詞構文1の書き換え
Because I was tired, I went to bed early.
私は疲れていたので、早く寝ました。
この文では、分詞構文の主語を補い、wasで時制を合わせて、Because I was tired という節に書き換えています。
分詞構文では省略されていた主語(I)と接続詞(Because)を補い、動詞(was)を節の形に直しています。
was は be 動詞の過去形で、「~だった」という意味です。
理由を表す分詞構文2
Not knowing what to do, I asked for advice.
何をすべきかわからなかったので、私は助言を求めました。
この例文の分詞構文 Not knowing what to do も、「理由」を表しています。
not は否定を表す副詞、knowing は know(知っている)の現在分詞、what to do は「何をすべきか」という意味です。
これを接続詞 as を使って書き換えると、次のようになります。
理由を表す分詞構文2の書き換え
As I did not know what to do, I asked for advice.
私は何をすべきかわからなかったので、助言を求めました。
この文では、分詞構文の主語を補い、did not knowで時制を合わせて、As I did not know what to do という節に書き換えています。
分詞構文では省略されていた主語(I)と接続詞(As)を補い、動詞(did not know)を節の形に直しています。
did not know は know の過去形の否定文で、「知らなかった」という意味です。
「条件」を表す分詞構文は、if という接続詞を使って書き換えることができます。
条件を表す分詞構文1
Turning right, you will find the post office.
右に曲がれば、郵便局が見つかります。
この例文の分詞構文 Turning right は、「条件」を表しています。
turn は「曲がる」、right は「右に」という意味です。
これを接続詞 if を使って書き換えると、次のようになります。
条件を表す分詞構文1の書き換え
If you turn right, you will find the post office.
もし右に曲がれば、郵便局が見つかります。
この文では、分詞構文の主語を補い、turnで時制を合わせて、If you turn right という節に書き換えています。
分詞構文では省略されていた主語(you)と接続詞(If)を補い、動詞(turn)を節の形に直しています。
条件を表す分詞構文2
Asked for help, I would gladly assist you.
助けを求められれば、喜んでお手伝いします。
この例文の分詞構文 Asked for help も、「条件」を表しています。
ask は「頼む」、for は「~を求めて」、help は「助け」という意味です。
asked for help で「助けを求められる」という受け身の意味になります。
これを接続詞 if を使って書き換えると、次のようになります。
条件を表す分詞構文2の書き換え
If I were asked for help, I would gladly assist you.
もし私が助けを求められれば、喜んでお手伝いします。
この文では、分詞構文の主語を補い、were askedで時制を合わせて、If I were asked for help という節に書き換えています。
分詞構文では省略されていた主語(I)と接続詞(If)を補い、動詞(were asked)を節の形に直しています。
were asked は be asked の仮定法過去で、「もし~されたら」という意味です。
「譲歩」を表す分詞構文は、though, although, even though などの接続詞を使って書き換えることができます。
譲歩を表す分詞構文1
Admitting what you say, I still think I am right.
あなたが言うことは認めますが、それでも私は自分が正しいと思います。
この例文の分詞構文 Admitting what you say は、「譲歩」を表しています。
admit は「認める」、what you say は「あなたが言うこと」という意味です。
これを接続詞 though を使って書き換えると、次のようになります。
譲歩を表す分詞構文1の書き換え
Though I admit what you say, I still think I am right.
あなたが言うことは認めますが、それでも私は自分が正しいと思います。
この文では、分詞構文の主語を補い、admitで時制を合わせて、Though I admit what you say という節に書き換えています。
分詞構文では省略されていた主語(I)と接続詞(Though)を補い、動詞(admit)を節の形に直しています。
譲歩を表す分詞構文2
Working hard, he failed the exam.
一生懸命勉強したけれども、彼は試験に落ちました。
この例文の分詞構文 Working hard も、「譲歩」を表しています。
work hard で「一生懸命勉強する」という意味です。
これを接続詞 although を使って書き換えると、次のようになります。
譲歩を表す分詞構文2の書き換え
Although he worked hard, he failed the exam.
彼は一生懸命勉強したけれども、試験に落ちました。
この文では、分詞構文の主語を補い、workedで時制を合わせて、Although he worked hard という節に書き換えています。
分詞構文では省略されていた主語(he)と接続詞(Although)を補い、動詞(worked)を節の形に直しています。
worked は work の過去形で、「勉強した」という意味です。
「付帯状況」を表す分詞構文は、while, asなどの接続詞を使って書き換えることができます。
「~しながら」という同時進行の状況を表します。
付帯状況を表す分詞構文1
She was reading a book, listening to music.
彼女は音楽を聴きながら、本を読んでいました。
この例文の分詞構文 listening to music は、「付帯状況」を表しています。
listen to は「~を聴く」、music は「音楽」という意味です。
これを接続詞 while を使って書き換えると、次のようになります。
付帯状況を表す分詞構文1の書き換え
She was reading a book while she was listening to music.
彼女は音楽を聴きながら、本を読んでいました。
この文では、分詞構文の主語を補い、was listening で時制を合わせて、while she was listening to music という節に書き換えています。
分詞構文では省略されていた主語(she)と接続詞(while)を補い、動詞(was listening)を節の形に直しています。
was reading は read の過去進行形、was listening は listen の過去進行形で、どちらも「~していた」という意味です。
付帯状況を表す分詞構文2
He walked down the street, whistling a tune.
彼は口笛を吹きながら、通りを歩いていきました。
この例文の分詞構文 whistling a tune も、「付帯状況」を表しています。
whistle は「口笛を吹く」、a tune は「曲」という意味です。
これを接続詞 as を使って書き換えると、次のようになります。
付帯状況を表す分詞構文2の書き換え
He walked down the street as he was whistling a tune.
彼は口笛を吹きながら、通りを歩いていきました。
この文では、分詞構文の主語を補い、was whistling で時制を合わせて、as he was whistling a tune という節に書き換えています。
分詞構文では省略されていた主語(he)と接続詞(as)を補い、動詞(was whistling)を節の形に直しています。
was whistling は whistle の過去進行形で、「口笛を吹いていた」という意味です。
鈴木洋一朗 / Yoichiro Suzuki
大学では言語学(生成文法理論)を学び、学習塾や予備校で10年間英語教育に従事。その後、IT企業でマーケティング、プロダクト開発などを担当。2016年に当サイトを開設。