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高校レベル·TOEIC700点
分詞構文とは、現在分詞や過去分詞を用いて文に情報を付け加えるものです。
まずは、分詞構文の作り方や用法を確認していきましょう。
分詞構文は、現在分詞や過去分詞を使って文に情報を付け加えます。
上記のように、現在分詞や過去分詞のカタマリが、その後ろの文(主節)に情報を付け加える形になります。
分詞構文の基本的な例文
Walking to the park, I saw a beautiful bird.
公園へ歩いているとき、美しい鳥を見ました。
Walking to the parkという部分が分詞構文ですね。
このように現在分詞のカタマリの場合もあれば、以下の例文のように、過去分詞のカタマリの場合もあります。
分詞構文(過去分詞)
Broken by the storm, the tree fell across the road.
嵐によって折られ、木が道をふさいで倒れました。
Broken by the stormという部分が分詞構文ですね。
ここでは過去分詞が使われています。
このように、現在分詞や過去分詞がカタマリを作って、文(主節)に情報を付け加えるのが分詞構文です。
さて、まずは以下の問題を見てみてください。
以下の例文で、分詞構文の下線部の主語は何ですか?
Walking to the park, I saw a beautiful bird.
先ほどの例文を再度持ってきましたが、この例文での分詞構文のWalkingの主語は何でしょうか?
このWalking「歩いている」のは誰でしょうか?
これは、日本語にしてみると分かります。
「歩いていると、私は美しい鳥を見ました」となるので、Walkingの主語は「私」ですね。
このように、分詞構文の主語は、主節の主語と同じになります。
文(主節)に情報を付け加えるという働きを持つ分詞構文ですが、次にその意味や用法を確認していきましょう。
まずは現在分詞の分詞構文について見ていきます。
分詞構文は現在分詞と過去分詞の両方がありますが、まずは現在分詞から確認していきましょう。
まず、現在分詞の分詞構文の意味は、学校や参考書では以下のように説明されることが多いです。
もちろんこれらは、自然な日本語に訳すときに便利ですが、
現在分詞の分詞構文は、まずは「〜して」と訳せばOKです。
もちろん、正確に和訳をするときは、文脈によって上記のいずれかの訳を使う必要がありますが、
単に英文を読むときは「〜して」と訳すだけで、十分意味が取れます。
それでは、現在分詞の分詞構文の例文を見てみましょう。
現在分詞の分詞構文(時: 〜しているとき)
Walking to school, I saw my friend.
学校へ歩いているとき、友達を見ました。
この例文では、Walking to schoolが分詞構文で、その後ろの主節に情報を付け加えていますね。
ここでは「時」を表す分詞構文で、和訳すると「学校へ歩いているとき」となります。
丁寧に日本語訳をする場合は「〜しているとき」というように「時」の意味をしっかり訳出しますが、
頭の中では「〜して」なので、 「学校へ歩いて、友達を見ました」 くらいでも大丈夫です。
現在分詞の分詞構文(理由: 〜するので)
Feeling tired, he went to bed early.
疲れていたので、彼は早く寝ました。
ここではFeeling tiredが分詞構文で、その後ろの主節に情報を付け加えています。
分詞構文のカタマリと主節の間に、因果関係があるので、和訳すると「疲れていたので」となります。
このように、分詞構文は理由を表す場合もあります。
簡単に「〜して」と訳すならば、 「疲れて、彼は早く寝ました」 となりますね。
現在分詞の分詞構文(条件: 〜すると)
Turning left, you will find the store.
左に曲がると、その店があります。
この例文では、Turning leftが分詞構文で、その後ろの主節に情報を付け加えています。
ここではTurning leftが条件を表しているので、和訳すると「左に曲がると」となります。
分詞構文は条件を表す場合もあります。
「左に曲がって、その店があります」 でもOKです。
現在分詞の分詞構文(譲歩: 〜しても)
Living far away, she visits her family every weekend.
遠くに住んでいても、彼女は毎週末家族を訪れます。
分詞構文には譲歩を表す場合もあります。
この例文では、Living far awayが分詞構文で、その後ろの主節に情報を付け加えています。
「遠くに住んでいても」という意味になります。
「〜して」で簡単に意味を取るならば、 「遠くに住んでいて、彼女は毎週末家族を訪れます」 となりますね。
現在分詞の分詞構文(付帯状況: 〜しながら)
He sat on the sofa, reading a book.
彼は本を読みながらソファに座っていました。
この例文のように、文の後半に分詞構文が使われる場合があります。
ここではreading a bookが分詞構文で、その前の主節に情報を付け加えています。
主節の動作と分詞構文の動作が同時に行われていることを表していて、「本を読みながら」という意味になります。
簡単に「〜して」と訳すならば 「彼はソファに座った。本を読んで」 となりますね。
現在分詞の分詞構文(結果: そして)
She tripped, dropping her bag.
彼女はつまずいて、そしてカバンを落としました。
分詞構文は結果を表す場合もあります。
この例文ではdropping her bagが分詞構文で、その後ろの主節に情報を付け加えています。
ここでは「そして〜した」という意味になっています。
簡単に「〜して」と訳すならば、 「彼女はつまずいた。カバンを落として。」 となりますね。これでも十分意味は取れます。
次に、過去分詞(-ed形)の分詞構文について確認していきましょう。
現在分詞の分詞構文は「〜して」というように能動的な意味でしたが、
過去分詞の分詞構文は 受動(〜された)や完了(〜した)の意味 を持ちます。
過去分詞の分詞構文は、現在分詞の分詞構文と同様に、以下のような意味や用法があります。
上記のように、いくつかの意味がありますが、
現在分詞のときと同じように、頭の中ではまず「〜された」と訳してみると良いでしょう。
それでは、過去分詞の分詞構文の例文を見てみましょう。
過去分詞構文(時: 〜されたとき)
Surprised by the news, she couldn’t speak.
そのニュースに驚かされたとき、彼女は話せませんでした。
この例文では、Surprised by the newsが分詞構文で、その後ろの主節に情報を付け加えています。
ここでは「時」を表す分詞構文で、和訳すると「そのニュースに驚かされたとき」となりますね。
過去分詞なので受け身で「〜された」と訳します。
なお、もし簡単に訳すならば「〜されて」と訳すこともできます。
その場合、 「そのニュースに驚かされて、彼女は話せませんでした」 となりますね。
過去分詞構文(理由: 〜されるので)
Tired from work, he went straight to bed.
仕事で疲れたので、彼はすぐに寝ました。
Tired from workが分詞構文で、その後ろの主節に情報を付け加えていますね。
これは「理由」を表す分詞構文で、和訳すると「仕事で疲れたので」となります。
tireは自動詞で「疲れる」という意味がありますが、それが過去分詞で完了の意味になり、「疲れた」となっています。
簡単に訳すならば、 「仕事で疲れて、彼はすぐに寝ました」 となりますね。
過去分詞構文(条件: 〜されると)
Given enough time, you will finish the task.
十分な時間が与えられれば、その仕事を終えるでしょう。
この例文では、Given enough timeが分詞構文で、その後ろの主節に情報を付け加えています。
「与える」という意味のgiveが過去分詞になっているので、「与えられる」ですね。
ここでは条件を表す分詞構文で、和訳すると「十分な時間が与えられれば」となります。
簡単に訳すならば、 「十分な時間が与えられると、その仕事を終えるでしょう」 となりますね。
過去分詞構文(譲歩: 〜されても)
Ignored by his friends, he still joined the party.
友達に無視されても、彼はパーティーに参加しました。
Ignored by his friendsが分詞構文で、その後ろの主節に情報を付け加えています。
ここでは譲歩を表す分詞構文で、和訳すると「友達に無視されても」となります。
ignoreは「無視する」という意味があり、それが過去分詞になっているので「無視された」となります。
簡単に訳すならば、 「友達に無視されて、彼はパーティーに参加しました」 となりますね。
過去分詞構文(付帯状況: 〜されたまま)
Left alone, the dog waited by the door.
一人にされたまま、その犬はドアのそばで待っていました。
この例文では、Left aloneが分詞構文で、その後ろの主節に情報を付け加えています。
ここでは付帯状況を表す分詞構文で、和訳すると「一人にされたまま」となります。
簡単に訳すならば、 「一人にされて、その犬はドアのそばで待っていました」 となりますね。
過去分詞構文(結果: そして)
The glass broke, shattered into pieces.
グラスが割れて、そして粉々になりました。
最後の例文です。
この例文では、shattered into piecesが分詞構文で、その後ろの主節に情報を付け加えています。
ここでは結果を表す分詞構文で、和訳すると「そして粉々になりました」となります。
簡単に訳すならば、 「グラスが割れた。粉々になって」 となりますね。
分詞構文には否定形もあります。
否定形の分詞構文は、分詞の前にnotを置いて否定します。
関連記事: 【例文・問題つき】分詞構文の否定形を徹底解説!
それでは、否定の分詞構文の例文を見てみましょう。
分詞構文の否定 (現在分詞)
Not knowing the answer, she stayed quiet.
答えを知らなかったので、彼女は黙っていました。
この例文では、Not knowing the answerが分詞構文ですね。
Notが付いているので、否定の意味になっています。
「答えを知らなかったので」となります。
分詞構文の否定 (現在分詞)
Not wanting to be late, he left early.
遅れたくなかったので、彼は早く出発しました。
Not wanting to be lateが分詞構文ですね。
want to Vで「Vしたい」という意味なので、want to be lateで「遅れたい」となり、その否定なので「遅れたくない」となります。
分詞構文の否定 (過去分詞)
Not invited to the party, he felt disappointed.
パーティーに招待されなかったので、彼はがっかりしました。
この例文では、Not invited to the partyが分詞構文ですね。
invitedは過去分詞ですね。ここでは受け身の意味になっており、invited to the partyで「パーティーに招待された」となります。
その否定形なので「パーティーに招待されなかった」となります。
分詞構文の否定 (過去分詞)
Not impressed by the performance, they decided to leave early.
パフォーマンスに感動しなかったので、彼らは早めに帰ることにしました。
Not impressed by the performanceの部分が分詞構文ですね。
impressは他動詞で「感動させる」という意味がありますが、それが過去分詞で受け身となっているので、「感動させられる」となります。
その否定なので、「感動させられなかった」となるわけです。
さて、分詞構文には完了形というものがあります。
これは、 分詞構文の動作が主節の動作よりも前に行われたことを表す ときに、使われます。
関連記事: 【例文・問題つき】分詞構文の完了形を徹底解説!
完了の分詞構文の例文を見てみましょう。
完了の分詞構文
Having finished his homework, he went out to play.
宿題を終えたので、彼は遊びに出かけた。
この例文では、Having finished his homeworkが完了の分詞構文ですね。
Having finishedと Having + 過去分詞 の形になっているので、完了の分詞構文になっています。
主節(外出した)よりも分詞構文(宿題を終えた)が先に行われたことを表しています。
完了の分詞構文
Having eaten lunch, she decided to take a nap.
昼食を食べたので、彼女は昼寝をすることにした。
Having eaten lunchが分詞構文ですね。
こちらも完了の分詞構文で、Having eatenが Having + 過去分詞 の形になっています。
「朝食を食べた」のが「昼寝をすることにした」よりも前に行われたことを表しています。
完了+受け身の分詞構文
Having been invited to the party, he felt very excited.
パーティーに招待されたので、彼はとても興奮した。
この例文では、Having been invited to the partyが完了の分詞構文ですね。
これは完了と受け身の両方の意味を持つ分詞構文です。
受け身の意味を持ちつつ、主節より前のことを表す場合は、 このように Having + been + 過去分詞 の形になります。
Neverを使った分詞構文
Never having seen the movie, I didn’t understand the reference.
その映画を一度も見たことがなかったので、私はその引用が理解できなかった。
この例文では、Never having seen the movieが完了の分詞構文ですね。
分詞構文の前にNeverが付いているので、否定の意味になります。
完了の分詞構文の否定は Never / Not + Having + 過去分詞 の形になります。
NotでなくNeverを使うことで、「一度も〜したことがない」という意味になります。
次に、独立分詞構文を見ていきましょう
まず、これまで学んできた分詞構文では、分詞構文の主語と主節の主語が一致していましたね。
独立分詞構文は分詞構文の主語と主節の主語が異なる場合に使われます。
独立分詞構文の作り方は簡単です。
分詞構文の主語と主節の主語が異なる場合に、分詞構文の前に主語を置くだけです。
では、例文を読んでいきましょう。
分詞構文(独立分詞構文)
The weather being nice, we decided to go for a walk.
天気が良かったので、私たちは散歩に行くことにしました。
この例文では、The weather being niceが独立分詞構文ですね。
The weatherが主語になります。主節の主語がweなので、それと区別させるために置かれています。
「天気が良かったので、私たちは散歩に行くことにしました」となります。
分詞構文(独立分詞構文)
Her parents being away, she had the house all to herself.
両親が留守だったので、彼女は家を独り占めしていました。
Her parents being awayの部分が独立分詞構文ですね。
主節の主語はsheですが、分詞構文の主語はHer parentsになっています。
「両親が留守だったので、彼女は家を独り占めしていました」と訳します。
分詞構文(独立分詞構文)
There being no buses, we had to walk home.
バスがなかったので、私たちは歩いて帰らなければなりませんでした。
There being no busesが独立分詞構文ですね。
ここではThere is 構文が使われています。
There is no buses.は「バスがない」という意味になりますが、これが独立分詞構文になったわけです。
Thereは主語としてそのまま残り、isが現在分詞のbeingになりました。
「バスがなかったので、私たちは歩いて帰らなければなりませんでした」と訳します。
分詞構文(独立分詞構文 + 完了)
The meeting having ended, everyone left the room.
会議が終わったので、全員が部屋を出ました。
これも独立分詞構文の例文です。
The meeting having endedが独立分詞構文ですね。
ここでは having ended となっているので、完了の分詞構文になっています。
みんなが部屋を出る前に、その会議が終わったということですね。
最後に、付帯状況のwithについて学んでいきましょう。
付帯状況のwithは、with O Cの形で、「OがCの状態で」というような意味になります。
付帯状況のwithは、withの後に目的語(O)と補語(C)を置くだけです。
なお、補語は以下のようなパターンがあります。
それぞれを例文で見ていきましょう。
付帯状況のwith(Cが形容詞)
She spoke with her mouth full.
彼女は口をいっぱいにしたまま話しました。
この例文では、with her mouth fullが付帯状況のwithですね。
her mouth(彼女の口)がfull(いっぱい)の状態で ということですね。
付帯状況のwith(Cが現在分詞)
She walked with her eyes shining.
彼女は目を輝かせながら歩きました。
with her eyes shiningが付帯状況のwithです。
her eyes(彼女の目)がshining(輝いている)状態で という意味になります。
付帯状況のwith(Cが過去分詞)
She slept with her arms folded.
彼女は腕を組んで寝ていました。
この例文では、with her arms foldedが付帯状況のwithですね。
her arms(彼女の腕)がfolded(組まれた)状態で という意味になります。
付帯状況のwith(Cが前置詞句)
She waited with a book in her hand.
彼女は手に本を持って待っていました。
with a book in her handが付帯状況のwithですね。
a book(本)がin her hand(彼女の手に) という意味になります。
鈴木洋一朗 / Yoichiro Suzuki
大学では言語学(生成文法理論)を学び、学習塾や予備校で10年間英語教育に従事。その後、IT企業でマーケティング、プロダクト開発などを担当。2016年に当サイトを開設。