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分詞構文とは、現在分詞や過去分詞を用いて文に情報を付け加えるものです。
このように、現在分詞や過去分詞がカタマリを作って、文(主節)に情報を付け加えるのが分詞構文です。
例文を見てみましょう。
分詞構文の基本的な例文
Walking to the park, I saw a beautiful bird.
公園へ歩いているとき、美しい鳥を見ました。
この例文では、I saw a beautiful bird.という文(主節)に、Walking to the parkという分詞構文のカタマリが付け加えられています。
「私は美しい鳥を見た」という文に、「公園へ歩いているとき」という情報が付け加えられていますね。
分詞構文の説明は以下のページで詳しく解説しています。
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分詞構文の作り方・訳し方・意味をわかりやすく解説!
さて、ではこの分詞構文を否定形にするにはどうすればいいのでしょうか?
まずは分詞構文の否定形がどのような形になるのか、見ていきましょう。
分詞構文の否定形はシンプルに、 not を分詞構文のカタマリの前につけるだけです。
分詞構文の否定形の意味や訳し方について見てみましょう。
単純に、否定にすればいいだけです。
例文で確認していきましょう。
否定の分詞構文(現在分詞)
Not feeling well, he stayed at home.
体調が良くなかったので、彼は家にいました。
feeling wellの部分が分詞構文のカタマリですね。
「気分が良くて」という意味ですが、ここではNotが付いて否定形になっているので、「気分が良くなくて」という意味になります。
Notから始まる分詞構文(過去分詞)
Not invited to the party, I spent the evening alone.
パーティーに招待されなかったので、私は一人で夜を過ごしました。
invited to the partyの部分が分詞構文のカタマリです。
今度は過去分詞なので受け身の意味になって「パーティに招待されて」という意味になります。
これにNotが付いて否定形になっているので、「パーティに招待されなくて」という意味になりますね。
いくつか例文を用意したので、さらに理解を深めていきましょう。
否定の分詞構文の例文(現在分詞)
Not paying attention, she missed the important information.
注意を払わなかったので、彼女は大事な情報を見逃しました。
ここではNot paying attentionが分詞構文のカタマリですね。
paying attention は「注意を払って」という意味ですが、Notが付いて否定形になっているので、「注意を払わなくて」という意味になります。
否定の分詞構文の例文(過去分詞)
Not chosen for the team, she was disappointed.
チームに選ばれなかったので、彼女はがっかりしました。
Not chosen for the teamが分詞構文のカタマリです。
chosen for the teamは「チームに選ばれて」という意味ですが、Notが付いて否定形になっているので、「チームに選ばれなくて」という意味になります。
受け身の意味になるので、過去分詞が使われています。
否定の分詞構文の例文(完了形)
Not having finished her homework, she couldn't go out with her friends.
宿題を終えていなかったので、彼女は友達と出かけられませんでした。
Not having finished her homeworkが分詞構文のカタマリですね。
having finished her homeworkは「宿題を終えて」という意味です。
havingは完了形の目印で、主節の動作(she couldn't go out)よりも前に行われたことを表します。
「彼女が外出できなかった」より前に「宿題を終えていなかった」ということですね。
それにNotがついて否定になっているので、Not having finished her homeworkで「宿題を終えていなくて」という意味になります。
否定の分詞構文の例文(独立分詞構文)
The project not completed, the team had to stay late.
プロジェクトが完了していなかったので、チームは遅くまで残業しなければなりませんでした。
The project not completedの部分が分詞構文のカタマリです。
これは独立分詞構文というもので、文の主語が分詞構文の主語と異なる場合に使われる分詞構文です。
主節の主語がthe teamになっており、ここでは分詞構文のカタマリでは主語をthe projectとしたいので、それを残して、The project not completedという形になっています。
「そのプロジェクトが完了していなくて」という意味になりますね。
分詞構文の否定形の練習問題をいくつか用意したので、挑戦してみましょう。
実践力をつけるために、シーン別での分詞構文の否定形の使用例を見ていきましょう。
分詞構文はフォーマルな書き言葉でよく使われます。
フォーマルなシーンでの分詞構文の否定形の使用例を見ていきましょう。
説明的な文章
Not following the instructions, you may damage the device.
指示に従わないと、デバイスが故障する可能性があります。
このように、マニュアルや説明書などで使われる場合も多いです。
契約書・法律文書
Not adhering to the terms of the contract, the client may face penalties.
契約条件に従わない場合、クライアントは罰則を受ける可能性があります。
他にフォーマルなシーンとして、契約書や法律文書などでも使われることがあります。
契約書・法律文書
Not confirming the initial hypothesis, the study failed to demonstrate a significant correlation.
初期仮説が立証されなかったため、この研究は有意な相関を示せなかった。
このように学術論文でも使われることがあります。
前提として、 分詞構文は日常会話ではあまり使われないことが多い です。
日常会話では簡潔で直接的な表現が好まれるため、接続詞を使うことが一般的です。
なので、ここでは分詞構文の否定形を使った表現を、カジュアルな会話としてはどのように使われるのかを比較して見ていきましょう。
現在分詞の否定形(会話ではあまり使われない)
Not feeling well, I stayed home.
体調が良くなかったので、家にいました。
カジュアルな表現
I wasn’t feeling well, so I stayed home.
体調が良くなかったから、家にいました。
完了形の分詞構文の否定形(会話ではあまり使われない)
Not having finished my homework, I couldn't go out.
宿題を終えていなかったので、外出できませんでした。
カジュアルな表現
I didn’t finish my homework, so I couldn’t go out.
宿題が終わっていなかったから、外出できませんでした。
独立分詞構文の否定形(会話ではあまり使われない)
The car not working, we had to take a taxi.
車が動かなかったので、タクシーに乗らなければなりませんでした。
カジュアルな表現(会話ではあまり使われない)
The car wasn’t working, so we had to take a taxi.
車が動かなかったから、タクシーに乗らなければなりませんでした。
鈴木洋一朗 / Yoichiro Suzuki
大学では言語学(生成文法理論)を学び、学習塾や予備校で10年間英語教育に従事。その後、IT企業でマーケティング、プロダクト開発などを担当。2016年に当サイトを開設。